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節電意識の高まりによって生じた新たなビジネスネガワット取引とは何か?

   

同時同量から生まれたデマンドレスポンス

電気というのは貯めることができないので、電力消費量と供給電力量を一致させる必要があります。このような考え方を同時同量と言います。

福島原発の問題で、供給電力量がダウンしたことがありました。この時電力消費量を減らして両者のバランスをとる必要性が高まって、節電という言葉が一般家庭の間でも広がりました。

このように供給電力量に応じて消費者が電力消費を抑制する対策の一つに、デマンドレスポンスがあります。デマンドレスポンスですが、大きく2つのタイプに分類できます。

電気料金型とインセンティブ型

電気料金型デマンドレスポンスとは、時間帯別料金の設定をすることで電力消費がピークになるときに電気料金を割高にする手法です。
そうすれば誰もが電気を無駄に消費しないように節電対策をします。電力消費量の多いときに節電することで興亜が大きくなりますが、ライフスタイルは人によってまちまちなので効果が確定しないデメリットもあります。

インセンティブ型デマンドレスポンスとは、電力会社が電力需給のひっ迫した時に契約者に対して節電の要請をするスタイルをさします。そして節電した量に応じてインセンティブが需要家には与えられます。

このような節電要請は契約の中に盛り込まれるので、電気料金型と比較するとより確実な効果が期待できます。

ただし消費者といちいち契約をしなければならず、手続きに手間がかかりますし、どうしても契約できる範囲は限定します。

デマンドレスポンスによって生じるネガワット

デマンドレスポンスによって消費者が電力消費を節電すると、電力が余ります。この余った電力のことをネガワットと言います。ネガワットとは余った電力は発電とイコールになるという考え方がベースにあります。このためネガワットのことを「節電所」と呼ばれることもあります。

ネガワットの考え方で電力会社としてみれば、需要の高いときには新しい発電設備を準備したり、需要の少ないときに稼働しなかったりするリスクが回避できます。

さらにこのネガワットをビジネスに応用する対策も進められています。これをネガワット取引と言います。デマンドレスポンスでネガワットという余った電力が生まれれば、それを電力会社が買い取るとかマーケットで売買することをさします。

2016年4月から電力小売全面自由化が始まりました。その中で電力の小売業者が多数新規参入しています。この小売業者の中には、ネガワット取引を展開しようとしているところも見られます。国でもネガワット取引の普及に乗り出していて、経済産業省では2015年3月にネガワット取引ガイドラインを策定しています。

節電努力でお金がもらえる

一般家庭でも福島原発の問題で原子力発電所の稼働がままならなくなった際に、節電をするケースが増えています。しかしこのネガワット取引が導入されると、節電努力でお金を稼げるというメリットが生じます。

このネガワット取引の中では、節電した電力量は一種の発電量と同じとみなされます。そしてその節電量に応じて電力会社からお金が支払われます。

まだネガワット取引の具体的なスキームが決まっているわけではありません。お金の支払いですが直接振り込まれるのか、もしくは月々の各家庭の電気料金から差し引かれるかは決まっていません。節電を頑張れば頑張るほど、経済的な恩恵を受けられるわけです。

また社会的なメリットもあります。ネガワット取引が普及されると現在国内全体で384万キロワット分の発電の削減が期待されています。この電力量をピンと来ないかもしれませんが、原発4基分の発電能力に匹敵します。これだけの発電所のコスト削減ができるので、電気料金の値下げにもつながっていきます。

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