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2017年ガス自由化に先立ち… いまいちだった電力自由化からチョット学べること

   

電力自由化が4月から始まり、どうなることかと蓋を開けてみたところ…結局98%の方は新電力を選ばなかったというイマイチな結果となりました。

これでは2017年4月に始まるガス自由化はどうなるのだろうという危惧の声がすでに上がっています。電力自由化の失敗を糧にガスの自由化は成功させたいというところですが、どうも一筋縄ではいかないようです。ガス自由化に先立って電力自由化の失敗から学べる点なんでしょうか?ガスと電気の自由化の違いを簡単におさらいしましょう。

ガス自由化に先立ち 電力自由化の失敗からチョット学んでみよう

新電力への移行率がわずか2%に過ぎないかった電力自由化の失敗の理由は、新電力会社が、メリットを明確にできなかったからです。通信自由化が成功したのは、「通信会社を変えると携帯電話代が実質0円になりますよ」とか、「通話料が月々980円だけになりますよ」とか「同じ通信会社の人に電話をかけてもタダですよ」など新会社を選ぶメリットが明確だったからです。

しかし電力自由化のときは、パンチのある割引制度はなく、むしろ2年間の契約の縛りや複雑なポイント制度ばかりが目立ちました。消費者は「よく違いが分からないから今の電力会社のままにしておこう」となったわけです。ガス自由化のときは、通信自由化のときのように、ガス会社を変える明確なメリットを打ち出すことが必要でしょう。

ガス自由化の際に直面する共通する問題

電力自由化が進まなかった他の理由は、商品が同じだったからというのもあげられます。東京電力で電力を買っても新電力会社で電力を買っても、同じ送電線にのって流れてくる電力を購入するわけですから、商品の質は全く同じです。

ガス自由化の際にも同じ問題が出てきます。ガス自由化後、どこでガスを購入してもガスの種類は全く同じです。商品の質に違いがないなら、今までのところで購入しようと当然思うことでしょう。

盛り上がらないガス自由化 3つの理由

ガス自由化は電力自由化以上に盛り上がっていません。ガス自由化に伴い新ガス会社の登録が始まったときに、申請を行なったのはわずか1社関西電力のみでした。ガスを売ることになぜ多くの会社は関心を示さないのでしょうか?3つほどの理由が考えられます。

ガス業界そのものが下火

時代は電気自動車、オール電化とガスから電気へと移行しています。お風呂を沸かすのも温水器ですし、電気コンロもかなり普及しました。つまり時代の流れはガスからの撤退なのです。あえて下火となっている業界に足を踏み入れようとする会社は当然少ないでしょう。

提供範囲に制限

電力は日本中に電力網が張り巡らされており、提供範囲に限りはありません。しかしガスの場合、今も地方ではLPガスが使われていることが多く、獲得可能な顧客数が、電力と比べると圧倒的に限られているのが現状です。その上ガス管を保有している会社に導管網使用量を払わなくてはいけません。ほとんどの会社は参入したとしてもあまり利益が上がらないと考えられるので、申請しないわけです。

貯蓄している会社が圧倒的に有利

ガスと電力の大きな違いは、電力は貯蓄できないが、ガスは貯蓄できるという点です。電力というのは、電気を使うそのときに発電しないといけません。しかしガスは貯めておいたガスを流すことができます。つまり大量のたくわえがある大手のガス会社が圧倒的に有利なのです。

新ガス会社の多くは蓄えがなく、ガスを生み出すこともできません。ガス卸売り市場からガスを購入してそれを売る以外に方法はないのです。当然利益はあまり出ないので、参入する気にはなりません。

なぜ電力会社はガス販売に乗り出せるのか?

上記の理由でガス販売に乗り出すのにはメリットが少ないのにどうして、関西電力をはじめ、幾つかの電力会社はガス販売を考慮しているのでしょうか。

理由は電力会社は電力を生み出すためにすでにガスを保有していますし、独自のガスパイプラインを持っているからです。電力会社が持っているガスは、電力に変える前のコスト単価ですから、それを各お客さんに売っても利益が見込めます。さらに、もし自らのガスパイプラインを利用してガス供給できるなら、導管網使用量も節約できる可能性さえあるからです。

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