FIT電気とは? 意外と知らないかも…自然に優しい電力ではあるが、国民の生活を圧迫しているらしい
太陽光発電が日本中で爆発的に増えました。なぜだか知っておられますか?
それは「FIT電気買い取り制度」という自然に優しいグリーン電力を推進する制度があるからなのです。このFIT電気買い取り制度というのはどんな制度なのでしょうか?
その仕組みを知ると、実はこの制度が活用されればされるほど、わたしたちの生活を苦しめる厄介な制度でもあることが分かってきます。
FIT電気とは?
FIT電気とは、自然エネルギーを用いて発電した電力のうち、電力会社によって固定価格で買い取ってもらった電力のことを指します。FITという言葉は「Feed-in Tariffs」の略語で「固定価格で買い取る」という意味があります。
地球温暖化防止のためにCO2を増やさない発電方法を増やしていかなくてはいけないのですが、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーを用いた発電は、まだまだ発電コストがかかります。例えば、現在電力は1kwhあたり24円ほどで売り出されていますが、太陽光発電の発電コストは、はるかにそれを上回る30円以上のコストがかかってしまいます。
つまり太陽光発電で電力を作ってもそのまま電力を売っても赤字になる現状があるわけです。日本国としては自然エネルギーを国内で拡大したいので、自然エネルギーで発電した電力は大手電力会社が高値で買い取ることを保証しました。この制度を利用して、高値で買い取ってもらった電力をFIT電力と言うわけです。自然エネルギーを用いて発電したとしても、固定買い取り制度を利用しなかった電力はFIT電気とは呼びません。
FIT電気として買い取ってももらえる発電方法は?
再生可能エネルギーと言われる自然に優しい発電方法である必要があります。現在FIT電気として買い取ることが認められているのは太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどのCO2を増やさない発電方法です。
20年という長い期間にわたり、発電コストに見合う価格で買い取ってもらえることが保証されているゆえに、自然エネルギー発電設備への投資も積極的に行なわれてきました。
FIT電気として買い取られるお金は国民が負担する
国の定めた決まりではFIT電気は一般電気事業者(東京電力など)が買い取ることとなっていますが、赤字分を大手電力会社が負担するのではありません。「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という形で、国民すべてが負担する形が取られています。
1ヶ月に一度受け取る「電気ご使用量のお知らせ票」をよく見ると、再エネ発電賦課金として何百円か取られていることでしょう。知らない人も多いようですが、電力使用量に合わせてFIT電気の赤字分は、わたしたち国民が負担しているのです!自然エネルギーが増えるのは嬉しいことですが、増えれば増えるほど生活が苦しくなるというのはなかなか皮肉ですね。
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