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電力供給会社が行っているポートフォリオ契約とは?

   

電力自由化で好みの電力会社を一般家庭でも選択できるようになっていますが、まだ始まったばかりの制度なので、どの電力会社を選んだらいいのかがわからないという人も少なくありません。

有力な選び方としては、電気料金以外の生活費も削減できる見込みがあるガス会社が設立した新電力会社を選ぶことです。

東京ガスや大阪ガスなどは、これまでの東京電力など大手電力会社同様に大企業ですから倒産の恐れが少ない上、強力な発電機能も備えているので発電事業者としても申し分ありません(直接一般家庭に供給するわけではないので、一消費者としてはあまり関係ないかもしれませんが)。

とはいっても、ガス会社が設立した電力会社も多数あります。
その中ではどう選んだらいいのでしょうか。

その点に関してはそのガス会社が仕入れ先を複数の供給源から行うポートフォリオ契約をしているかに注目してみましょう。

そもそもポートフォリオというのは、金融業界においては投資家などがリスク管理のために複数の金融商品に分散投資することでできあがる組み合わせを指します。

ビジネスにおいては例えばプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントという言葉があり、これもまた経営資源を最適に配分するマネジメント手法です。

今回の電力自由化で出てくるポートフォリオ契約という言葉は主にガス会社がLNG(液化天然ガス)の供給源を複数持っているかどうかといった意味合いになります。

例えば、日本では2010年に大阪ガス株式会社が世界各地にLNG供給源を持つシェルグループの子会社、シェル・イースタン・トレーディング社と契約をし、供給源をひとつに決めずに複数の供給源からLNGを仕入れるようにしています。

ほかにはJXエネルギー社も2012年にシェル・イースタン・トレーディング社と契約をして、2015年から17年間、年に約20万トンのLNG供給を受ける契約を発表しています。

要するに、ポートフォリオ契約はLNGの供給安定性に優れた契約ということなのです。

 

LNGをポートフォリオ契約していることで消費者が得るメリットは?

 
ガス会社がポートフォリオ契約をすることで一般家庭の消費者が得るメリットもまた大きいです。

そもそもLNGは環境特性に優れているので二酸化炭素の排出量が少なく、大気汚染をできるだけ小さくできるメリットがあり、世界中のガス会社が利用しています。

そんなLNGですから、数多にあるガス会社からの需要も大きく、万が一産出量が少なくなると入手が非常に難しくなる可能性が出てきます。

また、採掘のタイミングなどでは手に入れたいときにLNGが届かない事態も考えられますね。
しかし、複数の供給源を確保しておけば、調達の安定性が高まり、掘削の開始や遅延によるリスクも回避できます。

ガス会社にとって大切な材料となるLNGですから、在庫がなくなっては操業停止に追い込まれてしまいます。
そうなると、現在のように発電会社としても機能している場合、確実にそれにも影響が出てくることになります。

ガス会社を親会社に持つ新電力会社はLNGを安定供給されることで経営も安定します。

ですので、新電力会社をガス会社に絞っている場合、LNGの仕入れ先とポートフォリオ契約を結んでいるかを事前に確認することは、その会社が問題ないかを確認するのと同義になりますので、必ず見ておくようにしましょう。

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