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電力自由化で発生するかもしれないインバランスという問題

   

電力自由化が2016年4月に開始されます。

東京電力などの既存の電力会社のほかに新規で供給側となる会社(PPS)から消費者は自由に選んで契約できるという流れになるわけです。

しかも、今の契約先を変えたとしても、メーターの取り替えはあるにしても、電線を張り直すことはありません。

これはすでにある電線を供給などをコントロールする会社(自由化直後は現在の電力大手などが担います)が管理し、各電力会社に配電量や発電量を指示します。

ここで恐らく出てくる問題点として、インバランスというものがあります。
インバランスとは消費電力と発電量に大きな差が生じることです。

電力というのは一般的な商品と違って、消費量と生産量が同じにならなければなりません。
しかも、生産と同時に消費が行われるのも特徴です。このバランスを同時同量と呼びます。

これまでの電力会社大手は1社で発電も送配電も行ってきましたが、今後は何十社という数の発電会社がそれを行い、その際にはそれぞれの会社で発電能力に違いが出てきます。

例えば客のニーズが10あった場合、同時同量では10を生産していたのですが、PPSの中には発電設備の不調が起きて生産量が9しかできないときも出てきます。

これがインバランスで、この不足分をどうするのかが課題になっているのです。

これを避ける理由もあって、この自由化では新規PPSを受け入れてはいますが、送配電は既存のインフラと送配電管理システムを使うのです(2018年~2020年に送配電管理会社も大手の電力会社から分離となります)。

送配電で必要な量を管理者が素早くPPSに指示し、達成させます。
もし発電量が足りなかった場合、不足分はほかの会社が発電した電力を回し、停電などが起こらないようにすることになっています。

ただ、PPSもガスや石油会社などのすでに巨大な発電設備があるところならともかく、発電量が小さな会社も少なくありません。

なので、同時同量も瞬間瞬間ではなく、30分間の送配電量と発電量を同じにするようにした30分同時同量を用いることになっています。

この30分同時同量でもインバランスが発生した場合、±3%は許容範囲にして、それを超えた場合はインバランス料金――要するに罰金が発生する仕組みになっています。

これはPPSが払うもので、基本的には消費者には関係ないですが、このインバランスが多く発生しすぎると会社倒産にもなりかねませんし、消費者の電気料金が上がってしまう可能性もあるので注目しておきたいところです。

適正なインバランス料金が設定されないと自由化は成功しない!?

インバランスの罰金が適正に設定されないと恐らく自由化は成功しません。
自由化が失敗すれば今よりも電気代が上がることになり、消費者の負担にもなりかねません。

まず、インバランス料金が異常に高い場合、そもそも新規参入PPSが増えないことになります。目標を達成する自信がないと参入を躊躇うからです。

また、既存の電力会社大手は電気事業法第24条の5第一項でインバランスの取り扱いが決められていて、実際のインバランス量とは関係なしに送電実績全体の3.7%がインバランス量と仮定されます。
つまり、0.7%分優遇されていることになります。既存の電力大手と新規PPSの公平ではない設定も是正しなければなりません。

それから、逆にインバランス料金が安いと、新規PPSががんばろうという気にならず、他社の発電量に頼ってしまいます。

発電にはコストがかかりますが、それより安ければ「罰金を払えばいいか」と怠けてしまうわけです。そんな業者が増えると、ほかのPPSの負担が大きくなり、そこがだめになってしまうこともありえます。
そして、怠けていたPPSも頼る先もなくなり、破綻します。

このインバランス料金の設定は適正でなければなりません。
今回の自由化には新規PPS参入が増え、電力供給をより安定化させる目的もあるわけです。より自由な市場であり、安定した供給に向けた自由化のキーポイントになるのがこのインバランス料金なわけです。

これが適正でないと、今後大きなトラブルになるのは間違いありません。これまでの電力会社も新規PPSにも平等で適正な運用がない限り、電力自由化は成功しないでしょう。

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