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先を見越して電気を買う、3種類の卸電力取引「先渡市場・先渡定型取引・先渡市場取引」−卸電力取引の基礎知識

   

「先渡市場」は、将来のある1週間、1ヶ月、さらには1年の単位で電力を取引する市場のことです。

「スポット市場」や「時間前市場」のようにギリギリで電力を購入するのではなく、前もって買えるので計画的に電力を供給できます。

2016年4月に電力自由化が始まる前からすでにこうした商品がいくつか用意されていました。例えば、一ヶ月単位で朝8時から18時までの電気を買うか、もしくは24時間の電気を買うか。または同じ種類の電気を週単位で買うかというタイプの商品です。

「先渡市場」は現物で取引するものなので、たとえば1キロワット買ったら、受け渡しの際には必ず1キロワットを供給します。それでその分の代金が必要になります。

では「先渡市場」は電力自由化の過程でどのように変化するのでしょうか。

 

電力自由化で中止になった取引−「先渡定型取引」

「先渡定型取引」とは、向こう1年の間で受け渡しをする電力を一ヶ月または一週間の単位で取引するものです。

電力自由化が始まる前まで、用いられてきたこの取引方法は、電力を買いたい会社と電力を売る会社で直接契約が結ばれていました。これにはある程度のメリットがありました。
例えば、電力をどのように、どれくらい送電するかを会社ごとに調整できることです。

また電力を売る側と買う側が明確にわかるということもメリットかもしれません。
反対に、もし電力を買った会社が倒産するなら、電力会社にとって不良債権となるので、与信リスクがつきまといます。

2015年4月から9月にかけての期間を見ると、「先渡定型取引」で実際に契約された約定実績は非常に少ないです。
電力自由化にともなって、「先渡市場」にはどのような変化があるでしょうか。

 

名前が変わる「先渡市場取引」−「先渡取引」に一本化されます

「先渡市場取引」とは、「先渡定型取引」と同じ形態で電力を取引するものです。
では違いはどこにあるのでしょうか。
「先渡市場取引」は、会社と会社で契約を結んで電力を供給するのではなく、電力スポット市場で行なわれます。

スポット市場で取引を行なうことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
「先渡定型取引」のように売る側と買う側が直接契約を結ぶわけではなく、名前を明らかにしなくても自由に取引することができます。

さらに、スポット市場を通じて契約をするので、会社が倒産して電力の受け渡しなどを心配する必要がありません。名前は「先渡取引」に一本化されますが、取引の形に変更はありません。

先渡市場の規模は決して大きくはありません。これらの取引方法が変化してきた流れを見ると、どんなところにメリットやデメリットがあるかを知ることができます。

与信リスクだけではなく、転売や反対売買が比較的簡単に行なえるのか、決済の時期や方法も取引の方法に影響を与えることがわかります。電力自由化でより透明な取引を目ざしていることがわかります。

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