エネリスト

電気に関するあらゆる情報をお届け

卸電力取引での「ザラ場」とはどんな取引の方法?2つのメリットとは?

   

 

「ザラ場」とはどんな取引のこと?

卸電力取引で「ザラ場」という言葉が使われています。
当日市場(時間前市場)、先渡市場、一時間前市場で用いられる取引の方式のことです。もともとこの言葉は、取引の時間のことを指して用いられていたようです。

取引の際には、売りの注文と買いの注文をいったんまとめてから売買を成立させる方法もありますが、「ザラ場」とは、取引の時間中、条件が同じであればすぐに取引を成立させることができます。

では、卸電力取引で「ザラ場」はどのように進められるのでしょうか。そのメリット・デメリットはどんなところでしょうか。
 

緊急の取引に便利−「ザラ場」方式の取引のメリットの一つ

「ザラ場」方式はどんなメリットがありますか。
時間前取引を例に考えてみましょう。時間前取引は前日の17時から当日の電力を供給する1時間前まで取引を行なうことができます。

こうした取引は緊急の時に役立ちます。

猛暑などで電力が不測の事態で必要になる時に、売り手と買い手がそろうまで待つことはできません。
そこで「ザラ場」方式で取引できるなら、必要な電力をすぐに取引できるので、緊急のときに助けになります。
「時間前市場」そのものが、不測の事態に備えるための取引方法なので、「ザラ場」方式は、制度に見合った取引方法と言えます。では、他にもどのようなメリットがありますか?
 

電力会社の希望の価格に近い取引ができる−「ザラ場」方式の取引のもう一つのメリット

「ザラ場」方式の取引では、価格を電力会社の希望に比較的近い価格で取引ができます。これがもう一つのメリットです。
「ブラインド・シングルプライスオークション」では、一つの約定価格が提示され、固定された価格での取引になります。

「ザラ場」方式では対照的に、売り手が提示した電力と条件が卸電力市場に表示されます。そして、買い手が条件順に提示されます。

卸電力市場では各商品の入札や約定の状況が一覧表示されます。
入札したいと考えている電力会社は、ほかの電力会社が提示している価格を参照することができますし、どれくらいの電力量が必要とされているかも確認できます。
電力をできるだけ高値で取引したいと考える電力会社にとって、「ザラ場」は有効な取引方法といえるかもしれません。

これからの卸電力取引では、さらに電力を有効に活用すること、透明な価格設定をすることが期待されています。
株式の取引でも「ザラ場」方式を用いているものもありますが、わたしたちにとって電力は日常生活のライフラインです。電力を安定して確保するだけではなく、適正な、可能な限り安い価格で取引できるなら、わたしたちにもメリットとなります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 5
    follow us in feedly

  関連記事

電力自由化が始まってから今現在 予想通りの面と予想通りでない面

ついに電力自由化が始まりました。電力自由化という大きな変化は電力業界や各家庭にど …

電力自由化が電気料金値上がりの原因に?イギリスの事例から学ぶことは?

イギリスの導入した強制プール制って何?   電力自由化の先駆者・イギリ …

海外2カ国の現状−電力自由化を成功する上で何を参考にしたい?

2016年4月1日から始まる電力自由化。 電気料金が値下げになって節約につながる …

20年以上前からイギリスで進む電力自由化−現状はどうなっている?今後は?

イギリスでは1990年に国営の電力会社が民営化され、電力自由化が始まりました。 …

電気自由化で独占禁止法に触れる行為が懸念される!?

そもそも大手電力会社は市場を独占していたのではないのか? 2016年4月の電力自 …

電力自由化後は電力過剰供給になる!?過剰になるとこんな恐ろしい影響が

2015年の9月27日の読売新聞には、九州電力管轄地域で「太陽光発電増えすぎ 停 …

消費者が無駄に負担しないように・電力託送料金に関する調査会で改善するか?

  消費者が割を食わないようにする料金システムに 電力自由化によって、 …

電力自由化で電気代節約!ヒートポンプとエコキュートでさらなる効果も

電力自由化で電気が選べる このたび電力自由化と言って、一般家庭でも契約する電力会 …

火力発電所によって異なる3つの発電方法−火力発電の基礎知識

火力発電所は現在日本の電力供給を支える大黒柱の一つです。 石炭、石油等を用いた火 …

電力自由化三大リスクを検証!停電・倒産・値上がり

2016年電力自由化後だれもが心配する三つのリスク 電力自由化がいよいよ2016 …