エネリスト

電気に関するあらゆる情報をお届け

将来の卸電力取引の発展に必要な「先物取引」

   

欧米などではすでに活発に取引されている電力の「先物取引」。

日本の卸電力取引所ではまだ始まっていません。

何年も前から電力先物市場協議会などで報告書が作成され、活発に議論がなされています。電力の「先物取引」とはどのような性格を持っているのでしょうか。

はじめに、「先物取引」とは、電力を将来のある時点で、いくらで買いますよ、あるいはいくらで売りますよという契約のことを意味します。

「先物取引」では数日後から数年後の将来の電力を取引することになります。なぜこうした取引が必要なのでしょうか。メリットやデメリットについて考えましょう。
 

「先物取引」のメリットは電力会社の安定につながる

安定した価格で電力の供給を行なうのはけっして簡単ではありません。
電力供給のため、大部分の燃料を海外から輸入するので、燃料価格は常に変動することでしょう。
これに加え、猛暑など気候の変化によって国内の電力需要も急激に変化することがあります。新規の電力会社にとって死活問題になります。

他社から電力を買い、顧客に販売する新規の電力会社からすると、電力の値段が突然上がっても、それをすぐに値段に反映させることは難しいかもしれません。
結果としてリスクが生じることになります。

もしあらかじめ電力を調達するための価格が固定できるなら、安定した経営環境をつくることができます。反対にどんなデメリットがあるでしょうか。
 

「先物取引」のデメリット−実際の電力の需要とかけ離れ、リスクを生じる可能性がある

「先物取引」の本来の目的は、より多くの電力会社や需要家が参加することによって取引が活発化することです。

こうした過程で、電力の費用がより一層需要と供給に即した価格になるかもしれません。
しかし心配な面は、ライフラインである電力が投機の対象になり、現実とはかけ離れたものになる可能性があることです。
北欧では実際の電力量よりも多くの電力が「先物取引」で取引されていると言われています。もちろん、過度の価格の変動を避けるための対策がなされることでしょう。
 

もろ刃の剣をうまく使いこなせるかがポイント

「先物取引」には、価格が急激に変化する可能性など、不安定な要素があるかもしれません。
反対に「先物取引」が始まり、取引の額がふえることによって日本の経済の発展につながることも期待されています。

いわば「先物取引」はもろ刃の剣といえるかもしれません。電力自由化と「先物取引」は将来切ってもきれない関係になることでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 4
    follow us in feedly

  関連記事

電力自由化で事業隊が増加・IPPとは何か?

新電力やPPSとどこがどう違うのか?   発電をする事業者 従来日本の …

冷蔵庫もインテリアの一部!おしゃれで節電効果のあるものはないの?

白物家電は浮きやすい? 冷蔵庫は一人暮らしから大家族まで、どのような世帯でももは …

電力自由化で2016年4月から電気料金規制が撤廃される!

2016年4月電力自由化は一般家庭を含めて全面的に自由化され、電力市場が開放され …

電力自由化で電気代節約!ヒートポンプとエコキュートでさらなる効果も

電力自由化で電気が選べる このたび電力自由化と言って、一般家庭でも契約する電力会 …

日本のエネルギー事情は「高品質なのに災害に弱い」?災害時に弱いと言われる理由とは?

日本のエネルギー事情…ガスや電気は世界的に見ても高品質なことで知られています。 …

石油ショックと気候変動問題・電力自由化を促した2つの事象を紹介

  脱英国病が電力自由化の走り   日本でも今度一般家庭を含 …

電力自由化の今だからこそ!国内最大のエネルギーサミット・電力自由化サミットジャパンに注目すべし

電力需要の高まる夏に行われるサミット グッドフェローズという「タイナビ」という太 …

電力自由化の仕組みを簡単にでも理解しておこう!

現代の日本においては必然的に始まる仕組み? 電力市場が2016年4月に自由化され …

電力自由化が始まってから今現在 予想通りの面と予想通りでない面

ついに電力自由化が始まりました。電力自由化という大きな変化は電力業界や各家庭にど …

オール電化の家庭、電力自由化による契約プラン変更はお得なの!?

2016年4月に予定されている「電力自由化」。 企業だけでなく一般家庭でも、新し …