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電力自由化でたまに目にする特別高圧とはどんなもの?

   

2016年4月に実施される電力自由化で数多くの新電力会社(PPS)が参入し、日本の電力市場が大きく変わります。

2016年1月時点で119社の参入が決まっており、これまでの電力会社大手10社は苦戦を強いられることになるかと思います。

世界各国でも電力の自由化が進んでおり、日本も今後消費者が自分の意思で自由に電力会社を選択して契約できるようになります。

このPPSは今回の自由化のための申請受付が2015年8月に開始されているのですが、実はそれ以前に日本にもすでに何社か存在しています。
というのは、2000年3月に部分的に電力自由化が行われているのです。このときの対象が特別高圧を受電する顧客に限定されていました。

特別高圧とは2万Vの電力で、原則2000Kw以上の顧客に対して大手電力会社だけでなく当時参入してきたPPSが電気料金を顧客との交渉で自由に決めることができたのです。
これが電力自由化でよく出てくる特別高圧という単語に関係する話で、要するに部分的自由化の条件だったということです。

これだけの高圧電力を使うということは一般家庭ではありません。
大体が工場や大規模なオフィスなどでした。その後、2004年4月からは高圧――この場合は6000V以上で受電し、使用規模でいうと500Kw以上の顧客も対象に自由化が拡大されています。
さらに、2005年4月からはすべての高圧受電の顧客を対象に自由化されました。このときは原則50Kw以上です。
そして、2016年4月に低圧受電の顧客も対象となり、50Kw以下でも電力自由化が実施され、電力の小売りが全面的に自由になったというわけです。

全面自由化で一般家庭も得になる!

部分自由化では顧客も限定的で、誰もがその魅力を享受できたわけではありません。主に工場やオフィスなど企業が得をしたに過ぎません。

2016年の電力自由化ではすべての顧客が消費者にとって有利になると考えられています。

新規PPSも劇的に増え、一般家庭だけでなく特別高圧の顧客も同じように競合企業が増加し、競争で料金が見直され得になるとされています。新規のPPSの中には一般家庭には供給を考えていない企業もあり、高圧帯を対象にしている企業もあるのです。

いずれにせよ、PPSが増加することでサービスが充実し、付加価値や料金設定がより消費者のニーズに応えるものになることでしょう。
政府が電気料金を決めず、市場がそれを決めていくことになるので、これまで電気料金の節約といえば家電などを極力使わないといった方法しかありませんでしたが、今後は電力会社との契約を見直すという方法も出てきたわけです。
これも当然、一般家庭だけでなく、特別高圧の受電者も同じように選択できるようになっています。

しかも、今回の自由化にあたってはスイッチング支援システムによって新しいPPSと契約するだけでこれまでの電力会社との契約が解除されるという手続きの簡略化も図られており、容易に選択肢を検討することも可能です。
特に大きな工事も不要ですし、法整備も整っていて、万が一供給量が不安定になったりPPSが倒産してもまったく停電することもありません。

ですので、低圧から特別高圧まで、どの顧客にとってもなんら問題のない、そして有利な条件で2016年の自由化は実施されるので安心です。

特に特別高圧専用のPPSも多数誕生しますから、部分的な自由化と比べてもPPS間の競争が激化し、さらに特別な料金などが用意されることも期待できます。

というわけですので、今回の自由化においては特別高圧受電者も注目していてください。

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