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電力自由化における通信自由化の相違点と相似点を考えてみよう

   

2016年4月から電力自由化がスタートします。

これまでは全国各地にある電力会社から電気を買い取る形で利用していて、自分たちで任意に電力会社を選ぶことはできませんでした。そこで電力自由化に伴って、様々な業種が参入。
これによってユーザーは自分たちにとって有利に働く契約を選べるようになります。

実はこのようなインフラシステム改革は過去にもありました。それが通信自由化です。およそ30年前に行われた大型改革のひとつで、通信自由化を経験した関係者は今回の電力自由化との共通点が多いことを挙げています。
どちらもネットワーク型のインフラ産業ですし、規模やニーズがほぼ共通しているので当然と言えば当然かもしれません。

まずは通信自由化を振り返る

通信自由化は約30年前の1985年4月より施行され、これに伴い実に多くの業者が参入しました。

それまでは国内の通信市場は電電公社(現NTT)が、国際に関してはKDD(現KDDI)が独占していました。これが通信自由化に伴いサービスの多様化・低価格化が進んで今日に至る…というわけです。

しかし当時は固定電話くらいしか通信手段がなく、通信自由化の恩恵が大きくなり始めたのは1990年代あたりから…という見方がほとんどです。
確かにこの時期から携帯電話、インターネット、ブロードバンド…と通信手段そのものが多様化しています。

現状として通信業界の3トップであるNTTdocomo、KDDI、ソフトバンクが牽引しているのですが「3すくみ」とも言える状況が以前のようにサービスを独占する時代とは異なる、全面的な競争体制が出来上がってきています。

 

共通点が多い!

こうやって通信自由化を振り返ってみると、今回施行される電力自由化との共通点が思いのほか多いことに気付かされます。

これまでは独占していた事業を他の企業も参入できるようになったこと、これに伴うサービスの多様化・低価格化が期待できること。
そして技術の進歩による技術の進歩・多様化が予想されること。

電気は各地域ごとの電力会社が独占していた形でしたが、これからは新規参戦する企業を選べるようになる…メリットが大きいのは明白ですね。ストレートに分かりやすいのは価格競争やサービスの付加です。

 

相違点も多い

共通点・相似点が複数ある両者ですが、相違点もまた存在しています。

まずひとつが取り扱うものが違いますよね。通信の場合、主にネットワーク技術・速度・安定性といった部分がそれぞれの業者の特性となります。
しかし電気は同じ電気です。業者によって質が変わることはありません。

また通信はインフラ設備が整えば多少のトラブルが起こっても対処できますが、電気はそうはいきません。原則として蓄電できないので、悪い状況に陥ると「A社と契約したら電気がとぎれとぎれになった…」といったトラブルが起こらないとは言い切れません。

このあたりのサービスの質も大きく変化する可能性があるため、しっかりと設備やルールが整うまでに少しばかりの時間は必要になるでしょう。

似ている部分、そうでない部分のある電力自由化と通信自由化。
構造上の違いから、通信自由化の際に見られた大幅な市場拡大は望み薄とはいえ、ユーザーにとってのメリットは大きい…というのが共通認識です。

もちろん最前線に出てくるのは顧客の絶対数に勝る大手通信業者になるでしょうが、今後のあり方や競争によって勢力図が変わってくる可能性も。

短絡的に決めるのではなく、ある程度は中・長期的に注目し続けたいところです。

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