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電力自由化に暗雲?電力データ消失事件が起きた!

   

電力市場で混乱が起きる?

2016年4月から一般家庭でも電力自由化が導入されました。
しかし電力市場では混乱が起きている側面もあります。
その中でもメディアで取り上げられた大きな事件として、電力データ消失事件があります。

4月から始まった電力自由化に伴い東京電力から新電力に切り替えた顧客の情報が失われるという事件が起きたのです。

6月27日に東京電力パワーグリッドという送電網を管理する企業が、4~5月の電力使用量データ新電力に移行した世帯最大6400件が消失した可能性があると発表しました。

これはシステムの不具合が原因であると見られています。

ちなみに顧客が新電力に移行した場合、東京電力パワーグリッドはスマートメーターと呼ばれる電力使用量を測る次世代電力計を設置します。
そしてスマートメーターの検針によって使用量を新電力会社に通知し、新電力会社が各世帯に金額を請求する形をとります。

しかしメーターから送られてくる使用量データを東京電力パワーグリッドの本社システムで処理をする時にデータが失われたようです。

その他にも東京電力パワーグリッドでは、約2万件の使用量通知が遅れていることも公表しています。

電力量のデータが消失してしまった場合、新電力会社に対して前年同月の使用量実績から電気料金を算出するよう提案しているといいます。

 

電力自由化の出鼻をくじく恐れも

東京電力としては新電力会社と協力して、消失してしまった顧客に対してはまずていねいに状況の説明を行い、早期収拾を図ることが優先課題になるでしょう。

そして再発防止のためになぜデータ消失が起きてしまったのか、どのような対策を講じるべきかを必要に応じてスタッフの増強なども行っていく必要もあるでしょう。

実際対策も取られていて、2万件に及んだデータ通知の遅れは解消に向かっています。

しかし消失したデータを復活させることは難しく、先ほども紹介したように前年の使用量をベースに電気料金は請求されます。

ただし中には節電を一所懸命がんばってきた世帯もあるかもしれません。
そうなると前年度と同じ電気料金と言われれば納得はできないでしょう。
電力会社との信頼関係を損ねることもあり得ます。

特に東京電力の管轄するいわゆる首都圏は、もともと契約世帯数が多いです。このため電力自由化に伴う新電力への移行を希望する世帯も多いでしょう。

実際エリア別で比較すると東京電力エリアの新電力への移行率が最も高いです。

しかしこのような問題が起きたとなると、新電力に興味のあった世帯でも切り替えをためらう人も出てくるでしょう。東京電力パワーグリッドによると、「契約変更に備えた訓練は行っていたものの、ここまで遅延が起きるとは想定台だった」というコメントを発表しています。しかしこれは少し対応的にはお粗末だったと言わざるを得ないでしょう。

 

スケジュールありきが問題だった?

新電力会社にとって、電力自由化は大きなビジネスチャンスになりえます。このため、「早く電力自由化を」という各業界からの圧力は相当あったようです。

その結果、スケジュールありきの電力自由化だったのではないかという指摘もあります。
そのひずみが今回電力データ消失事件という形で起きた可能性もあります。

政府の電力・ガス取引監視当委員会は東京電力パワーグリッドに対して、業務改善勧告を行っています。一刻も早い混乱収拾を求めています。

平成32年には、電力会社から送配電部門を切り離し、発送電分離が行われる予定です。東京電力グループでは、このことを想定して送配電部門の切り離しを行いました。

そしてこの切り離した会社で起きた問題ですから、今後の発送電分離の課題のモデルケースとして活用したいところです。

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