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関西電力が採用している2本継ぎ電柱は敵に塩を送る行為?

   

持ち運び便利な電柱

電柱の新しいスタイルとして、2本継ぎ電柱が注目を集めています。

関西電力が2015年から導入している電柱で、柱を2本継ぎにしてワンセットにするスタイルが特徴です。

従来の電柱は1本柱になっているものが主流でした。
しかし十数メートルにもなる電柱を1本構造にしてしまうと、どうしてもコストがかかってしまいます。

しかし2本継ぎにすれば、従来の長さの半分で良いので、コストも抑えられますし、工事する際の安全性も向上します。

ちなみに柱をつなぐのはフランジと呼ばれる工法です。
金属の円盤部分をボルトによって固定する方法です。

関西電力の管内には約270万本があります。その中でも既に26000本程度は2本継ぎ電柱になっています。

電柱1本あたりの長さは平均すると14メートルで、積載可能なある程度のサイズのトラックもしくはレッカー車などを使って現場に運び入れます。

しかも電柱を立てるといっても、5~7メートルには電話の通信線、10メートルには電線がある中で柱を立てる必要があります。

しかも電柱を設置する事例を見てみると、建物の建て替えに伴う移動や破損による交換が主です。このような工事は、住宅街の狭い道幅の道路で行うことが多いです。

そこで電柱を2本に分割してコンパクトサイズにした方が、狭い道路でも簡単に運べますし、通信線や電線を気にすることなく作業ができるのです。

現場の声をすくい上げて、2本継ぎ電柱が開発されたという感じです。

 

コスト削減できる

2本継ぎ電柱にすることで現場の作業員が安全に簡単に作業できるメリットがあります。その他にも、コストの削減効果も期待できます。

実はもっと前の段階で2本継ぎ電柱は開発されていました。しかし従来の電柱と比較すると、2本継ぎ電柱は3倍くらいのコストのかかるのが問題でした。

しかし製造工程の効率化などが進んだことで、2倍くらいまでのコスト削減に成功しています。さらに開発が進めば、コスト削減効果が見込めます。

また本体のコストはまだ従来の方が安いですが、周辺コストの削減が期待できます。

たとえば長さが半分になった時点で、大型の特殊車両ではなく、普通トラックの輸送が可能になります。この分の経費も十分削減できます。

さらに2本継ぎ電柱の場合、リユースもできるといわれています。

従来の1本構造の電柱の場合、古くなったら運送の問題から切断します。

ですからもはや再利用はできません。しあし2本継ぎ電柱はボルトを外せば2本に分けられるので、切断する必要がないです。また再度ボルトでつなげば、他の場所で再利用することも可能です。

 

敵に塩を送るジレンマ

コスト削減効果のある2本継ぎ電柱はメリットがあるように見えるかもしれませんが、実は関西電力にとってマイナスになる可能性があり、そこがジレンマになっています。

コストが安くなれば、詫送料という電気を送るためのコストが安くなることを意味しています。
ちなみに一般家庭の電気料金のうち、3~4割は詫送料によって占められているといわれています。

新電力が競争を勝ち抜くためには、電気料金をいかに下げるかでしょう。

関西電力から見れば、詫送料を値下げにすることでまず収入がダウンします。しかも関西電力から見ればライバルになりうる新電力の競争力をアップさせることになりかねないため、敵に塩を送る形になります。

関西電力では重要な収益源になる原子力発電の再稼働が、福島原発の影響もあってままならない状態です。

このため、電線を銅製から割安なアルミ製にするなど、コスト削減に力を入れています。しかしこの企業努力が敵を利する形になってしまっているのが、関西電力の抱える大きなジレンマとなっています。

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