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電力自由化は最近のことではない?今までの法改正の経緯を紹介

   

電力自由化と言われる2013年の法改正を紹介

1995年から始まった

最近しきりに電力自由化と言われるようになりました。それまでの自分の住んでいる地域で自動的に利用できる電力会社が決まるのではなく、いくつもある選択肢の中から自由に契約先を決められる制度です。

ここ数年で言われるようになったことなので、議論もつい最近のことなのでは、と思っている人もいるでしょう。しかし歴史を見ると、今から20年以上前から電力自由化のための法改正は進められていました。

電力自由化のはじめの一歩と言われているのが、1995年に行われた電気事業法の改正です。この法改正の最大の特徴は、IPSという独立系の発電事業者の参入を認めたことです。
それまでの電力会社や卸電力事業者の他にも、IPSからも電力購入ができるようになったわけです。そしてIPSは電力会社の既存の送電線を使って送電する規制も緩和されたことで、発電の自由化が一層推し進められました。

 

小売りへの自由化の拡大

電力自由化と言うのが世間一般でも広く言われるようになったのは最近のことかもしれませんが、小売りの自由化はすでに1999年から始められています。1999年に電気事業法がさらに改正されました。その中で、2万ボルト以上の受電・電気の契約規模が2000キロワット以上の特別高圧の顧客に限り高利電力を自由に選択できるようになりました。ちなみにこの条件に該当するのは、大規模工場や高層のオフィスビル、デパート、大学といったところでした。

この小売りの自由化によって、PPSと呼ばれる特定規模電気事業者が誕生しました。彼らは上で紹介した特別高圧の自由に電力の購入先の選択のできる顧客に対して、売電ビジネスを仕掛けるようになりました。この時参入規制や供給義務、料金規制といった規制を設けずにオープンにしています。

 

小売り自由化がさらに拡大

2003年にさらに小売り自由化の対象が拡大されました。電気事業法がこの年改正され、2004~2005年には契約規模が50キロワット以上の高圧の顧客も小売りの自由化の対象に含まれました。中小の工場やオフィスビル、スーパーなども対象になって、電力販売量でみると実に6割が自由化の対象に広がったのです。
この時にJEPXと呼ばれる卸電力取引所も作られました。電力会社やPPSが出資している取引所のことです。卸電力取引所が設立されたことで、今まで以上に電力調達が多様化したといえます。

 

電力の全面自由化へ

広く電力自由化が推し進められましたが、まだこの時点では一般家庭における電力自由化は行われていませんでした。それが2013年から検討されていた電気事業制度改革によって、全面的な自由化に一気に舵が切られたのです。2011年に起きた東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故によって、電力システムの見直しが一気に進みました。

この制度改革の中で、まず2015年に広域運用推進機関が設立されました。電気の需要と供給を日本全国単位で調整するための機関です。電気の需給状況を監視し、もしバランスが崩れてしまった場合には電力会社に指示して、電力の融通をするように指示を行います。

このような電力の調整は、それぞれの地域の電力会社が今まで担当しました。それが広域の機関に移管されたわけです。
そして2016年になると、小売りと発電が全面自由化になります。一般家庭でも地域の電力会社だけでなく、自由に電力供給を受ける会社を選択できるようになります。

2015年には電気事業法がさらに改正されました。この中で、発送電分離が盛り込まれています。送配電ネットワークを従来の電力会社から切り離して、別法人化することでどの電力会社の構成に送配電システムを利用できるようになります。ちなみにこの発送電分離ですが、2018年から2020年までには完了する方針であるとされています。このように電力自由化は急に出てきたことではなく、20年以上の時間をかけて徐々に進んでいきました。

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