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電力自由化後の電気小売事業者の長~い供給約款 かいつまんで説明 

   

約款はとても長くて読めない、そして難しい

電力自由化後、たくさんの電気小売業者が自由に電気を売り出せるようになります。
そこで必要になってくるのが電気供給約款の提出です。既に電気小売業者として申請している100以上の会社は各ホームページに約款を掲載しています。
実際2016年4月の自由化開始後、どこかの電気小売業者を選択すると、まずはこの約款に目を通し、承諾のサインをすることになります。

ところがこの電気供給約款、素人では全く分からない専門用語が羅列されている上、分かる人でも本気で読むと優に何時間も掛かってしまいます。

果たして誰が本気で読むのでしょうか?もちろんサインする以上は読み、理解し、同意した上でサインする義務がありますが、さらっと理解したい人のために、約款に書かれていることを素人にも分かるように解説させていただきます。

供給約款の通達方法

各電器小売業者は、電気を供給する前に電気を買ってくれるお客さんにこの約款を説明する義務があるとされています。ではどのように伝えるのか1つ目は契約前に約款を送付することによってです。といっても見かけ上は単なる電気利用申込書で名前や住所、希望の契約プランなどが選べるようになっていて、下にサインをするところがあり、サインすると申込書の約款に同意しているものとみなされます。
約款は申込書に同封されてるか、申込書の裏に小さい字でつづられているかもしれません。さらに約款は、各電器小売業者のホームページで見ることができます。

 

約款には何が書かれているのか

難しい専門用語が立ちならぶ長い約款が送られてくるわけなのですが、簡単に言うと何が書かれているのでしょうか?次の3つの点が触れられています。

 

料金はどうやって決められるのか

新しい会社と契約しても電気料金は一定ではありません。「うちは1kwごとに20円で売ります」などとは書かれてはいないのです。

石油や天然ガス代の時価に合わせて電気代を値上げしたり値下げしたりできるように、金額ではなく電気料金の算定方法が書かれていることでしょう。電気基本料金についても契約プランごとにいくらになるか触れられていますし、いつを起点として電気料金を計算するのかなども書かれているはずです。

さらに支払いの方法を触れられており、クレジット払いは可能か、口座振替の割引制度はどうかも記されています。工事費用はどうなるかの説明もあるでしょう。
リミッターは無償取り付け、ただしリミッターの取り付け場所は無償で提供してもらうなど小さなトラブルとなりうる費用負担が書かれています。

  お客様の協力・同意・賠償が必要になる条件

お客さんの協力事項についても書かれています。定期検査、メーターが故障時のお客の敷地内に立ち入らせてもらうこと。

必要に応じてメーターの交換させてもらったり、正常な計量ができてないときは、電気料金を話し合いによって決めさせてほしいなどが書かれています。

さらにお客さんの責任で問題が生じた場合は電気小売業者側で契約廃止とすることなどの同意条件も書かれています。

天災などで小売業者の設備が使えなくなって電気が送電できず、お客さんに被害が及んでも賠償責任は負わないとか、その代わりに小売業者設備の損害に関してはお客さんに負担はさせないなど、賠償の規定も細かく記されています。

  契約期間・条件

契約期間はいつから始まるのか、何をもって電気供給契約が終了するのかなど上記の責任分担がいつからいつまで有効かも記されています。通常はお客さん側からの契約廃止は当日でも有効、ただし電気小売業者から契約を廃止したい場合は廃止前15日までに通知などと書かれています。

▶ 書かれていない再生可能エネルギーのアピール

どのようにして作り出した電力なのかを消費者としては知りたいところでしょう。ところが約款にはどのように電気を作り出したかは書かれていません。

メガソーラーを敷き詰めて太陽光というクリーンなエネルギーを供給しようとしている会社もあるのに、それを約款では触れないのです。

それはクリーンな再生可能エネルギーはかなり高い値段で買い取ってくれることになっているからで、太陽光だと1kwにつき42円もの高額で買い取る決まりです。

再生可能エネルギーを高額で買い取ってもらいたいなら、約款その他で自分はクリーンエネルギーですとアピールしてはダメ、もし高額買取を断るなら約款などでアピールしてもいいですよとなっているのです。

もちろん高額買取してほしいので、どの会社の約款にもどうやって発電したかを触れられていません。

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