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電力自由化で今後の同時同量はどうなるの?

   

電力供給で重要なポイント・同時同量について紹介

 

電力の安定供給で欠かせない同時同量

欲しい商品があってお店に行ったところ、「売り切れました」と言われてしまった経験はありませんか?また1日限定のランチを食べようと思ったのに、たまたま店に行くのが少し遅くて完売したという経験のある人もいるでしょう。

他のお店であれば、このような「売り切れ御免」が通用するかもしれません。
しかし電力の場合「売り切れました」となれば、たちまち停電してしまいます。

今では身の回りに多くの家電があふれている私たちの生活で、停電が起きるとかなり深刻な問題が起こります。そこで今の電力供給では売切れて停電が起こらないように、同時同量というシステムが機能しています。

同時同量とは、電気の需給バランスを常に一定にさせるシステムをさします。電気というのは作ったらすぐに使わないといけません。
電気はその性質上、貯めることができないからです。そこで需給バランスをとって、常に同時同量にしてバランスをとる必要があるのです。

 

電力自由化と同時同量

電力自由化がメディアでもしばしば取り上げられていますが、これは電力の小売りを自由化することをさします。
どんどん新電力と言いますが、新規事業体が電力の世界に続々と参入を果たしています。

新電力が参入することと同時同量には密接な関係があります。
これまでのビジネスモデルが変わってくる可能性があるからです。

従来は東京電力や関西電力をはじめとして、地域の電力会社が独占するシステムをとっていました。

この一般電気事業者がその時々の電力の需給バランスの変化を見極めて、発電所の運転をコントロールすることで、安定した電力供給を行ってきました。
このような微妙なバランシングを新電力が行えるかどうかという問題が出てきます。

新電力の場合、一般電気事業者と比較すると規模は小さいです。
このため、同時同量を実現することは厳しいです。
そこで新電力事業者に対して電気事業法で、30分単位で同時同量を達成することを一つの基準としています。
つまり常に同時同量を達成できなかったとしても、30分単位の電力の需要と供給の総量がマッチすればよいというわけです。

ちなみに新電力が30分の同時同量を達成できなかったとします。
その場合には、インバランス料金と言いますが、新電力は一般電気事業者に一種のペナルティのようなお金を払います。

そして一般電気事業者から電力を補給してもらって、消費者に電力供給します。

ですから新電力と契約を交わしても、頻繁に停電になって日常生活に支障をきたすようなことはまず起こらないと思って良いでしょう。

 

同時同量の課題は?

新電力は30分ごとに同時同量を実現できればよく、もし実現できなかったとしても一般電気事業者から電力を回してもらうことができます。

その時インバランス料金というペナルティを支払わないといけないと紹介しました。
実はこのインバランス料金が、電力事業への新規参入の足かせになるかもしれないという指摘があります。

もしも新電力が十分に需要を満たすだけの発電ができなかったとします。
その場合、一般電気事業者から電気を回してもらうことになります。
そのインバランス料金が高すぎるといわれているのです。

インバランス料金ですが、3%が一つの基準となります。
3%以内であれば、変動範囲内となって、8.45円/kWhで買取になります。ところがこの3%を超えてしまうと、49.08円にグンと跳ね上がります。
夜間でも38.12円ですし、夏季の電力需要が多く見込まれる時期には76.49円にもなります。
夏季の場合、変動範囲内と比較すると9倍以上の値段になってしまいます。

新電力としてみれば、インバランス料金を何度も支払うことになれば、経営をひっ迫する要因にもなりかねません。

電力自由化を進め、より多くの事業体が参加できるような環境を整えるためにはインバランス料金の見直しを行うことも求められてくるでしょう。

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