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電力自由化が電気料金値上がりの原因に?イギリスの事例から学ぶことは?

   

イギリスの導入した強制プール制って何?

 

電力自由化の先駆者・イギリスの試み

日本でも一般家庭において電力自由化が導入され、自由に電力会社と契約できるようになりました。
自由競争が電力市場で働くようになり、価格も安くなって、利用者も恩恵を受けられるとしています。

すでに日本に先駆けて海外を見ると、電力自由化を導入している国も見られます。その中でも先駆者的存在と言われるのが、イギリスです。
しかしイギリスの電力事情を見てみると、電力自由化によって電気料金が下がるどころか、むしろ値上がりしてしまったといいます。
国営の中央電力公社が、電力供給を独占的に行っていました。

しかしサッチャーが首相になると、国営企業を民営化して市場原理を導入するようになりました。その中心となったのが電力自由化で、当時の不況から脱出するための目玉と言われていました。

中央電力公社は1990年になって、3つの発電会社と送電会社に分割されました。その一方で、50社程度の新規参入の新電力が出現しました。まずは大口需要家から自由化が踏み切られ、1999年には一般家庭も電力自由化が実現しました。

 

イギリスの導入した強制プール制とは?

イギリスは当初、強制プール制と呼ばれる方式を採用していました。
強制プール制とは、電力を発電するとプール市場という卸売マーケットのようなところに強制的にいったん集めてしまいます。そしてそこから電力を販売していく方式です。
しかしこの強制プール制は問題点もありました。

というのもこの市場原理では、大手企業が市場操作を比較的簡単にできるからです。公正な競争原理が機能しなくて、電力自由化で下がるはずだった価格も思い通りに推移しませんでした。

その結果、2002年には強制プール制は廃止されました。
新しくNETAと呼ばれるより競争の原理が働き、公正な取引のできるシステムに変更されました。2005年になると、BETTAというシステムに進化していきました。

 

なかなか低くならないイギリスの電気料金

電力自由化に踏み切ったにもかかわらず、電気料金は高止まりの傾向が続き、消費者はその恩恵をなかなか受けられないでいました。

その理由として、先に紹介した強制プール制がうまく機能しなかったことが挙げられます。ただしこの強制プール制は功罪あって、電気料金が高止まりだったからこそ、企業は新規参入しやすくなって、電力市場の競争条件が整備された功の部分もあるにはあります。

ちなみにNETAと呼ばれる新しい電力取引制度が採用されました。
その結果強制プール制だったころと比較すると、電気料金は卸売価格で40%程度下落したといいます。
ではそのままどんどん下落したかというと、そううまくも行きませんでした。実は2004年ごろになると、小売価格が再び上昇傾向を見せるようになったのです。

そして2004年と比較して、現在のイギリスにおける電気料金は倍近くに上昇しているといいます。

この現在のイギリスの電気料金の高止まり傾向ですが、イギリスの発電事情によるところが大きいです。イギリスの場合、発電に関するコストが電気料金の2/3とほかの国と比較して高いのです。このため、燃料の天然ガスなどが市場で高騰すると、モロに電気料金に反映されてしまうのです。

電力自由化のイギリスでは、このような電気料金の価格高騰によって、いろいろな議論が進められているようです。
しかし改革を進めていかないと、電気料金はさらに上がってしまうという危機感を募らせています。
そして近い将来、電力市場改革の案が提示されるだろうと見られます。

電力自由化の後発国の日本では、このような先駆者たちの失敗なども教訓にできる強みがあります。
イギリスの教訓を生かして、いかに消費者にメリットをもたらすような制度設計を策定できるかが課題と言えるでしょう。

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