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一戸建てでよく見られる太陽光発電パネルがマンションではなかなか見られないわけ

   

住民の合意を得るなど手続き上時間がかかってしまうことも

 

小規模なマンションオーナーであればOKでも…

一戸建ての住宅を見てみると、太陽光発電のソーラーパネルの設置されている光景はもはや珍しいことではなくなりつつあります。

しかしマンションでソーラーパネルの設置されているケースは、あまり多くないはずです。実はマンションでなかなか太陽光発電が普及しないのには、理由があります。

たまにマンションの屋根に太陽光発電のパネルが設置されている場合もあります。しかしこれはおそらく、小規模マンションのオーナーであることが多いでしょう。

この場合、比較的簡単な手続きでパネルを設置することが可能です。

しかしある程度の規模のマンションになると、管理組合が作られているでしょう。このような管理組合のある場合、ソーラーパネルを設置するためにはいろいろな手続きをクリアしていかないといけません。

 

独断ができないマンション

一戸建てで比較的簡単に太陽光発電を導入できるのは、独断で設置可能だからです。
一戸建てのオーナーが、自分たちの意志でパネルを設置するかどうか決めればいいのです。

しかしマンションの場合には、そう簡単な話ではありません。
マンションは部屋の中のそのオーナーが独占的に使用できるところと廊下やエントランスなどの住民全員で使用する共用部分があります。

ソーラーパネルは屋上に設置するのが一般的です。屋上は共用部分になるので、一住民の独断で設置するかどうかを決めるわけにはいきません。

マンションの屋上に太陽光発電を設置するかどうかは、それぞれのマンションの住民が判断をする必要があります。独断ではなく、合議制をとるため、どうしても手続きが煩雑になってしまうのです。

 

3/4がポイント

大規模マンションになってくると、何百戸という住民が暮らしている物件も珍しくありません。
これだけの住民の同意を取り付けることは容易ではありません。
しかし太陽光発電の導入は、全会一致で決めないといけないというわけでもありません。

太陽光発電システムを屋上に設置する場合、共用部分の変更に該当します。
共用部分の変更をするためには、全住民の3/4以上の賛成を得ることが条件となります。

全会一致と比較すれば多少ハードルは下がったものの、それでも決して簡単にクリアできる条件ではないでしょう。

たとえば杭がきちんと地盤に届いておらず、このままいくとマンションが徐々に傾くといった重大な問題であれば、上の条件をクリアできるかもしれません。

しかし太陽光発電に関しては、喫緊の課題とは言い難いです。別に太陽光発電がなくても、電気は確保できるので「そんな面倒なことをしなくても良いのでは?」ということになりかねないのです。

しかも太陽光発電を設置するとなれば、設備投資のためのお金も必要です。

当然のことながらマンションに設置するものですから、住民が負担をする必要があります。
太陽光発電を一戸建てに設置する場合でも、数百万円単位のお金が必要です。

マンションの屋根となると一戸建てよりも広いですから、より大きなパネルが必要でどんなに安く見積もっても500万円は必要でしょう。

大規模マンションになると、1000万円を超えるような費用が必要になるかもしれません。

住民全体でその費用を賄うといっても、絶対なくてはならないわけではないソーラーパネルを設置するための費用は出したくないという住民も出てくるでしょう。たとえばマンション購入するのに住宅ローンを組んで、そのローンの返済の真っ最中という人もいるでしょう。そのような人にさらにソーラーパネルの設置費用の一部を負担してくれと言われても、そんなお金は出せないといわれるかもしれません。

また管理組合ですが、理事は住民が1年前後の人気で持ち回りにて行っているところが多いです。
上のような問題もあって、1年足らずでソーラーパネルの設置をマンションで決定するのは至難の業といえます。
このためソーラーパネルの設置を提案しても、他の理事が却下してしまうか、たなざらしにして翌年以降に持ち越し、自分たちの責任では行わないように持っていかれることが多いでしょう。
このようにマンションに設置するためには、かなり厳しい条件をクリアしなければなりません。ですからマンションの屋根に太陽光発電のパネルの設置されている所がほとんどないわけです。

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