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石油ショックと気候変動問題・電力自由化を促した2つの事象を紹介

   

 

脱英国病が電力自由化の走り

 
日本でも今度一般家庭を含めた電力小売りの完全自由化が進められます。

しかし日本よりもいち早く電力自由化に踏み切った国があります。
そのパイオニアと言われているのが、イギリスです。

1988年に時のサッチャー政権が発表した電力民営化白書が電力自由化のスタートラインと指摘する声も多いです。

当時のイギリスは、英国病という景気後退のどん底にありました。
その状況に追い打ちをかけるように中東で起きた石油ショックがさらに大きなダメージを与えました。

今のままの市場メカニズムでは袋小路にはまってしまうと考えたサッチャーは、経済体制のダイナミックな変革を試みました。
その柱の一つを担ったのが、国営企業の民営化でした。特にその中でも電気料金の高止まりが経済をひっ迫していると考えられていました。

電力業界を民営化して、自由競争のもとにさらすことで価格が下がり、経済活動が活発化することで国民の生活状況が好転するのでは、と考えたのです。

電力自由化をした当初は、強制プール制と呼ばれる仕組みがうまく機能せず電気料金が高騰してしまいました。しかしシステムを見直すことで好転し、1998年から2002年までの間に電気の卸価格は40%程度下落したといいます。

 
 

再生可能エネルギーのシェアを増やすかもしれない電力自由化

 
日本の発電構成を見てみると、その大部分が火力発電に依存していることがわかります。特に2011年に発生した東日本大震災の影響で、福島の原子力発電所が大きな損害を受けました。
それに伴い原子力発電の危険性が一般でも広く認識されるようになって、脱原発という声も聞かれるようになりました。その影響でますます火力発電の占めるシェアが大きくなりました。

火力発電の場合、いわゆる化石燃料を燃やすことでエネルギーを発生させます。
この化石燃料を燃やすときに、二酸化酸素を排出します。二酸化炭素は温室効果ガスとも言われていて、地球温暖化の要因の一つになっています。

地球温暖化はさまざまな影響を地球レベルで与えてしまいます。
最近日本でもしばしば見られるゲリラ豪雨などの異常気象や大気や水質の汚染、砂漠化、地球を紫外線から守るオゾン層の破壊などいろいろな悪影響が考えられます。
このような地球環境の悪化も、今日の電力自由化の背景にあると見られています。

現在の火力発電だよりの状態では、なかなか二酸化炭素の排出量を少なくできません。
そこで電力自由化で、「火力発電ではない電力の供給を受けたい」と考える人はその思いに基づく選択も可能になります。
実はクリーンエネルギーとして、再生可能エネルギーも徐々に登場しています。

再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱といった自然のエネルギーを使うアプローチです。

自然のエネルギーであれば、化石燃料のように将来いつかは枯渇するといった問題もなくなります。

そして二酸化炭素の排出量を抑制できるので、地球温暖化に歯止めをかけることも可能になります。

再生可能エネルギーですが、日本ではなかなか進展してきませんでした。コストがかかってしまうことと発電所を作る場所を確保するのが法律の関係上難しかったということが挙げられます。

しかし電力自由化によって、再生可能エネルギーで発電をする新電力と契約する世帯が増えれば状況は変わってくるかもしれません。
電力の小売販売を自由化して、電力会社間で競争をさせます。もし火力発電にこだわっていれば、顧客をどんどんほかの新電力に取られる可能性も考えられます。

各電力会社が再生可能エネルギーによる発電に力を入れるようになれば、昨今発生している気候変動も抑制でき、地球環境をより良いものにできるかもしれません。

電力自由化と言われると、電気料金が安くなるなど身近な問題で取り上げられることが多いです。

しかし上で見たようにもっと大きな地球規模の問題にも影響をもたらす可能性のあるスケールの大きな話にもなるわけです。

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