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広大な米国のエネルギー市場は日本とはスケールが違う?

   

日本の電力自由化で、先に自由化が始まっている米国はモデルケースにもなり得るため、最近は多くの人が米国の電力市場やエネルギー市場に注目するようになっています。

そもそも米国は日本と比べたら国土が広大で、エネルギー生産もできる上、世界的に大規模な消費国でもあり、エネルギー輸入大国でもありました。

そんな米国ですが、天然ガスのシェールガスやシェールオイルを採掘できる技術ができ、採算性が急激に向上して生産が本格化しています。

国際エネルギー機関によれば世界のエネルギー市場の見通しとして米国は2035年にはエネルギーの自給自足が可能になると予測しているほどです。

さらに、オバマ政権は再生可能エネルギーの利用促進を行っています。環境関連技術に投資をすれば景気回復および雇用創出にも繋がるとして「グリーン・ニューディール政策」を掲げました。この政策にはのちに原子力や天然ガス、クリーンコール(石炭のから出る二酸化炭素や窒素酸化物の排出量を抑える石炭利用技術で、クリーンコールテクノロジーもしくはCCTとも呼ばれます)を加えています。

戦略の基本は米国内のあらゆるエネルギー資源を活用して自給率を高め、輸入される石油への依存度を下げていくものになっています。
これが米国のエネルギー市場の大まかな様子です。

 

再生可能エネルギーに注目する米国

 
オバマ政権は気候変動問題を最優先課題のひとつとして掲げているので、再生可能エネルギーに注目しています。
再生可能エネルギーへの投資は2700億ドルレベルで、年々増加しているようです。
その投資額の92%が風力と太陽光への投資額だと言われています。

再生可能エネルギーは日本の新電力会社でも採用しているところがありますし、今後増えることは間違いありません。

しかし、再生可能エネルギーは設備投資や不安定な発電量のため、電気料金が割高になる可能性があります。
しかし、米国は広大ですから広い土地がいる再生可能エネルギー利用発電所を建てることも不可能ではありません。

そんな米国が力を入れる再生可能エネルギーにはどういったものがあるのでしょう。
まずは風力発電です。

テレビなどで見たことがあるかと思いますが、巨大な羽根で風を受け、回転させることで電気を起こしています。
巨大な上に広い土地が必要なので、米国の風力発電は期待できます。

ノースダコタ州やミネソタ州、南部のテキサス州とニューメキシコ州は平地が多く、設備建設は難しくありません。
次に天然ガスがあります。シェールガスは今後も全米で普及拡大の見込みで、テキサス州やニュージャージー州、ペンシルバニア州、デラウェア州、メリーランド州など。
今後も大西洋沿岸中央部に新電力会社全体26%を占める見通しです。

最後に日本でも増加中の太陽光発電です。

カリフォルニアとノースカロライナで導入されることが計画されており、全体の太陽光発電の73%を占めるに至っています。

2015年12月下旬にテネシー州にあるワッツバー原子力発電所2号機が2016年にできるだけ早く運転開始する予定で動いており、稼働すれば米国で20年ぶりの新設原子炉になります。

米国は日本と違い広いこともあり、原子力発電所で稼動しているものも少なくありません。

二酸化炭素などをできるだけ抑えたいので、米国は再生可能エネルギーで環境問題にも取り組んでいます。
そのわりに原子力発電所を使っているのは、日本のエネルギー市場とはずいぶんと違って見えますね。

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