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電力自由化の成功例として挙げられるテキサス州

   

米国の電力自由化は日本のように国単位ではなく、州単位で実施されており、全米50州のうち15州とワシントンDCでしか小売りの全面自由化を実施していません。

自由化に踏み切った州は最大で24州にもなるのですが、自由化はしたが失敗して停止中の州とまだしていない州の方が多く、現状は15州とワシントンDCだけになっています。

そんな自由化した州の中で、成功例として挙げられるのがテキサス州です。
テキサス型自由化とも呼ばれるほど、なぜテキサスは大成功を収めたのでしょうか。

テキサスでは電力自由化を1999年に決定し、2002年から実施しています。テキサス州は電力消費量が全米で最も多いとされ、その消費量は東京電力よりも一回り大きく、英国やスペインに匹敵するほどです。

テキサス州の公共事業委員会のレポートでは100社以上の新電力会社があり、自由化後、商業および産業の顧客70%と一般家庭の60%が既存の電力会社から乗り換えていると発表しています。

テキサスの成功には批判的な声もあり、電気料金は80%も値上がりしたとも言われています。
元々テキサスは年間電力消費量が全米で最も多いので、新規参入すれば必ず利益を得るチャンスがあるということで、たくさんの電力小売が参入しました。

最初から市場が活況だったので、そのため成功したのだということです。

いずれにせよ、日本の電力自由化と比較して、学ぶべきことはたくさんあるかと思います。

 

テキサス州が成功したのはウェブサイトが要因のひとつ

テキサス州の自由化成功の鍵は様々あるのですが、中でもテキサス州の公共事業委員会が電力会社や料金プラン、電源別プランを比較・選択できるように、無料のウェブサイトを運営していることが挙げられます。

「Power to Choose」というサイトで、住んでいる地域の郵便番号を入力するだけでその地域で小売をしている新電力会社と、各社が提供する各種プランを一覧で確認できるシステムがあるのです。

これはちょうど日本の自由化直前に新電力会社に興味のある人々が実際に100を超える新電力会社のプランを比較しきれないのではないかという懸念の声がありました。

そこで期待されたのがアフィリエイターなどが比較サイトを運営してくれることでしたが、テキサスでは公的な機関がそれを行ってくれているのです。

また、米国が再生可能エネルギーに注目しているのと同様に、テキサスでもサイトで確認できる200を超えるプランの中から100%再生可能エネルギーの電力プランが60プラン以上もみつけることが可能です。
風力や太陽光などの特定の再生可能エネルギーだけ、もしくはこれらふたつを組み合わせたプランがあります。

このように環境に配慮し、消費者の立場に立った情報提供など、かゆいところに手が届くサービスを実施していることがテキサス型電力自由化の成功のプロセスなのではないでしょうか。風力発電や太陽光発電は十分な発電量を得るのには日本の国土では狭すぎます。

ですので、日本では電気料金が割高になるとされる再生可能エネルギーのプランはともかく、日本の自由化でもせめてネットで比較できるサービスを提供してほしいものですね。

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