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外国と比べて日本の電気料金は高い?安い? 海外の電気代相場を見てみよう

   

日本の電気料金は外国よりも高いと思っている人が多いでしょう。もっと電気料金が安くてもいいのに電力会社は儲けのために安くしないと思っている人も多いようです。日本は本当に外国よりも電気代が高いのか、高いならなぜなのかを今回検証して見ることにいたしましょう。

日本の電気料金

まずは我が国の電気料金ですが、地域格差が激しいのが現実です。例えば一番安い東北電力管轄地域では1kwhあたりおよそ21円~22円くらいです。一番高い北海道電力管轄地域では1kwhあたりおよそ30円もします。日本全国の平均の電力量料金は1kwhあたり24円といったところでしょう。では24円を基準に諸各国と比較していきます。

アメリカの場合

まず比較したいのは世界共通語の国アメリカです。アメリカの電気料金も日本と同じく場所によって電気料金がかなり変化しますが、平均は1kwで10~12円くらいです。なんと日本の半分以下の値段なのです。

しかしアメリカ一般家庭の一ヶ月の電気料金は約1万円、日本と同じです。なぜですか?アメリカの家は大きく、大量に電気を消費するのでトータル電気料金は日本と同じくらいというわけです。

ではなぜアメリカの電気料金が安いのでしょうか?それは国の政策として、発電方法を石炭火力にシフトしたからです。石炭火力はアメリカ国内で調達でき、その上、かなりの発電量を見込めます。ただし大量なるCO2が撒き散らします。

京都議定書に賛同しない理由もうなずけるでしょう。日本は節約国家で、契約によって最大使用アンペア数が60Aなどの制限が設けられます。しかしアメリカは節約意識が少なく、普通の家庭でも250Aまで使えます。こまめに電気を消すという文化でもありません。

そこでアメリカの方策として、豊かな生活を望む国民が引き続き安価で電気を使えるように石炭火力という方法を取ったわけです。発電量が高く発電コストも安い原子力発電が最も多いのもアメリカです。

イギリスの場合

続いて比較したいのがアメリカの同盟国イギリスです。イギリスの生活スタイルは自由の国アメリカと同じではなく節約意識があります。電力資源の割合も日本と似ています。しかし自国でガス田を持っている分、日本より若干安い料金1kwh22円ほどとなっています。

ドイツの場合

ドイツは電気料金が高い国で、1kw31円です。なぜこんなに電気料金が高いのでしょうか?多くの人は原因として、ドイツの再生エネルギーへの取り組みと原子力発電の縮小が影響だといいますが、再生エネルギー買い取り料金も、電源構成中の原子力発電の割合も、日本と大きな違いはありません。

専門家はドイツの電気代が高い原因は税金によるものだと言っています。日本の消費税は現在8%ですが、ドイツは電気料金に付加価値税16%、電気税8%、自治体税7%が課税さるので電気料金の31%は税金となっています。もともとの電気代は日本と変わりないのですが、税金が高いので、電気代が高いのです。

フランスの場合

欧米諸国でアメリカに次いで電気料金が安い国、それがフランスです。1kw16~17円です。なぜフランスはこんなに電気料金を安く設定できるのでしょうか?それは原子力大国だからです。

現在もフランスはEUの中で原子力発電の依存度が最も高い国で原子力のコストパフォーマンスによって安く提供できているようです。

韓国の場合

ここまでの流れで世界で一番電気代が安いのはアメリカなのかと結論しそうになりますが、実はアメリカよりも電気代が安い国があります。それがお隣の国、韓国です。

韓国は1kwあたり8~10円というとんでもなく安い料金設定となっています。なぜこんなに安く提供できるのでしょうか?安い電気料金は韓国の経済政策だからです。

電力会社の株のほとんどを国が所有しており、毎年500億円以上の赤字補填を国が行なっています。もちろん日本と比べて原子力依存度が高く生産コストが安いという要素もあります。

中国の場合

最後に考えるのが、いまや経済大国に発展した中国です。中国の電気料金は1kwにつき9~11円という韓国ほどではないが日本の半額以下という値段設定のようです。

これは石炭や天然ガス等の豊かな電力資源が手に入るほか、韓国同様国の政策により、発電コストよりも安い電気料金で提供しているからです。

日本の電気代はほぼ世界相場

このように見ていくと、国が借金をかぶる形で安くしている国もあれば、たくさんの税金をかけて高くしている国もあるのです。

世界に先駆け、クリーンエネルギーを追求しながら、掛かったコストは国民の電気料金にかけるという平衡のとれた料金システムを実現している日本の電気料金は決して高くありません。

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